よくあるご質問

FAQ

補償導線について

補償導線のサイズを選定するには、何を判断基準に決定すれば良いですか?

熱起電力の特性は、導体の太さには影響されません。配線する場所、距離、柔軟性などの機械的特性を考慮し選定されます。
サイズ別に分けると

2.3SQ:
距離の離れた場所への配線、大型プラント工事
2.0SQ:
2.3SQと同じであるが、価格が若干安い。
1.3SQ:
距離の離れた場所への配線、大型機器内配線
1.25SQ:
1.3SQと同じであるが、若干柔軟性があり外径も若干細い
0.5SQ:
機器内用及び短い距離や狭いスペースでの配線

補償導線と補償導線をつなぐのに何を使用すれば良いですか?

補償導線は無接続が原則です。
やむを得ず接続する場合は、銅スリーブや端子台で接続しても構わないが下記のことに注意が必要です。

  1. 接続する補償導線の種類は同品種の物(KX→KX○ KX→VX△ KX→JX×)
  2. 接続箇所はできるだけ周囲の熱に影響されない場所(ヒーター等の熱源から離れたところが望ましい)
  3. 繋ぎ目の+脚と-脚は必ず同温度であること。
  4. 熱電対と同じ種類のオメガコネクター等を使用すればより誤差なく計測が可能である。

銅テープと銅編組シールドでは接地(アース)の取り方は違いますか?

アースの端末処理が違うだけで、基本的にはアースの取り方は同じです。銅テープの場合は一般的にはIV線等を繋げて端末処理を行い、銅編組シールドにおいては、編組部をよじってY端子等をつけて端末処理を行うのが一般的です。

補償導線のシールドの効果および、どのシールドが一番遮蔽効果が高いですか?

  • 電力線などの電圧により生じる静電誘導障害の除去⇒静電遮蔽
  • 電力線などの変化する電流により生じる電磁誘導障害の除去⇒電磁遮蔽

遮蔽効果の高いシールドは銅テープや銅鉄テープです。

  • 静電遮蔽⇒銅テープシールド(SA)
  • 電磁遮蔽⇒銅鉄テープシールド(SAF)

現在、KXタイプの補償導線を使っていますが予算が無いためVXを使用したいのですが何か支障がありますか?

支障はないが但し、下記の問題があります。

  1. KXはシース熱電対と同じ導体(クロメル・アルメル)なので温度許容誤差が±1.5℃(クラス1の場合)以内と低いがVXは導体(銅・コンスタンタン)が異なるため温度許容誤差が±2.5℃以内と大きくなります。
  2. シース熱電対と補償導線の補償接点温度は、KXが-25℃~+200℃に対してVXは0℃~100℃となります。

ガラス編組被覆の補償導線は湿気のある所や、水が掛かる所で使うとどのような影響がでますか?

吸湿や水の浸透により絶縁不良を起こし、正確な温度測定ができなくなります。

補償導線と被覆熱電対との違いを詳しく教えてください。

補償導線: 熱電対(温度センサー)と指示計器(温調計)の間をつなぐ専用リード線であくまで熱電対の延長用リード線であります。導体構成は撚線が一般的である。基本的には、補償導線単体での温度測定はできません。
被覆熱電対: 熱電対素線に被覆を施した熱電対で、補償導線と大きく違い単体での温度計測が可能であるが低中温域での簡単な温度計測に限ります。また、種類はK・E・J・Tタイプのみに適用されます。また、補償導線と違い導体構成が単線(mm線)で構成されています。

同じ種類の補償導線でサイズを変更した場合は何か問題はありますか。

同じ種類であれば問題ないです。途中接続の場合も問題ないですが、接続箇所の周囲温度に気をつけてください。

外部入力抵抗の限定があれば注意しサイズを選定してください。

熱電対と測温抵抗体との違いを教えてください。

メリット・デメリットがあり、以下のようなものがあります。

熱電対のメリットは測定温度範囲によって熱電対の種類を選択できることで、RやKなどは1000℃以上の高温測定が可能です。 逆にデメリットとしては、測定誤差が大きくなります。

測温抵抗体のメリットは熱電対に比べて測定誤差が小さく正確であることとリード線も安価です。逆にデメリットは熱電対に比べ測定温度範囲が狭く、高温域では500℃までが標準です。現在では1000℃迄測定できる物もありますが非常に高価です。

補償導線と動力線を一緒に配線する場合、何に注意すればよいですか?

補償導線と動力線を平行に配線する場合に動力線の電流によっておこる電磁障害に注意する必要があります。

補償導線は銅鉄二重遮蔽の補償導線を使用する必要があります。

VX,WX,KXの識別方法を教えてください。

まず、+脚の色で識別します。銅色ならVX、銀色ならKXかWX

+脚と−脚がともに銀色の場合、+脚に磁性があればWX(鉄)−脚に磁性があればKX(アルメル)となります。

補償導線の端末に銅のY端子は使用できますか?

銅のY端子は補償導線の導体と異なる材質になりますので、温度誤差が発生する可能性がございます。

しかし、Y端子間に温度差が無い場合は測定温度に影響ございませんのでご使用可能です。

2012年にJIS規格が改定され、被覆の色が変わりましたが改定前の被覆色を購入することは可能でしょうか?

JIS-81年版ではK補償導線のシース色は青色でしたが、JIS-2012年版ではK補償導線は緑色に改定されております。 福電ではJIS-81年版の被覆色を現在でも製造・販売を行っております。

JIS-81年版の製造・販売を行っておりますが、JIS-2012年版の規格色に移行していただくことをおすすめいたします。

耐熱電線について

600V LKGB60SQの曲げ半径はいくらですか?

ケーブル外形の10倍以上なので外径16.2mm×10倍=162mm以上になります。

電気用品600Vテフロンと機器内配線用の定格600Vテフロンは何が違うのですか?

電気用品安全法という法律の認証を受けた電線であるか否かの違いです。
テフロン線だけに限らず他に認証を取っている電線はあります。

電気用品安全法・・・・
電気用品の製造・販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的として定められた法律です。

テフロン線のPFAとPTFEは共に耐熱温度は260℃ですが違いは何ですか?

  • PFAは電気特性・物理特性・耐燃性等、ほとんどPTFEと同様です。
    PFAは溶融できるため押出成形でき、長尺での製造が可能です。
  • PTFEは溶融しないため、高温でも溶けない利点があります。
    しかし溶融しないため、押出成形が難しく長尺の製造が難しい点があります。

熱電対について

シース熱電対の温接点形状で、非接地タイプの利点・欠点を教えてください。

熱起電力の特性は、導体の太さには影響されません。配線する場所、距離、柔軟性などの機械的特性を考慮し選定されます。サイズ別に分けると

利点: 測定対象物を選ばず、電気的誘導障害に対しシールド効果があり、熱起電力の経時変化が少なく長時間の使用に耐えられます。
欠点: シースが絶縁されているため、接地型より応答速度がやや劣ります。

熱電対の原理を教えてください。

2種類の異種金属で閉回路を作り、異なる接合点に温度差が生じると熱起電力が生じ電流が流れるという原理(ゼーベック効果)を利用した温度検出器。

使用環境に応じた特性を持つ異種金属素線同士を組み合わせて片端に溶接等の電気的接続を行い、もう一方を計器に接続することで熱電対となります。

測温接点の温度を知るには、基準接点を0℃に保つ方式と、電気的補正を行う計測器に接続する方式とがあります。

やむを得ず接続する場合は、銅スリーブや端子台で接続しても構わないが下記のことに注意が必要です。

測温抵抗体の原理を教えてください。

金属の電気抵抗値が温度変化に比例し変動する特性を利用し、白金等の金属素線をコイル状に加工して製造された抵抗体素子にシース・内部導線・保護管等を一体化させて安定性の良い抵抗値測定を行えるようにした温度検出器で、内部導線の接続方式が2・3・4導線式の3タイプからなり、接続方式に合った変換器に接続することで温度測定を行えます。

PT100Ωの測温抵抗体のリード線は何を使えば良いのですか?

線式にあったリード線をご使用ください。

(2導線式であれば2C物、3導線式であれば3C物)VCTFやMVVSなどでも使用できますが、温度誤差を少なくするためには専用に設計されたリード線をご使用ください。導体抵抗のばらつきを抑えた設計となっております。

シース熱電対の保護管の材料で最も多く使用されている物は何ですか?

標準材質としはSUS316が最も多く、高温用としてはINC600が一般的です。

シース熱電対と圧接式熱電対はどう違うのですか?

吸湿や水の浸透により絶縁不良を起こし、正確な温度測定ができなくなります。

シース熱電対: KXはシース熱電対と同じ導体(クロメル・アルメル)なので温度許容誤差が±1.5℃(クラス1の場合)以内と低いがVXは導体(銅・コンスタンタン)が異なるため温度許容誤差が±2.5℃以内と大きくなる。シースが絶縁されているため、接地型より応答速度がやや劣ります。
圧接式熱電対: シース熱電対と補償導線の補償接点温度は、KXが-25℃~+200℃に対してVXは0℃~100℃となります。

JIS規格外の熱電対の特徴を教えてください。

補償導線: 測定対象物を選ばず、電気的誘導障害に対しシールド効果があり、熱起電力の経時変化が少なく長時間の使用に耐えられます。
被覆熱電対: シースが絶縁されているため、接地型より応答速度がやや劣ります。

シース熱電対の曲げ半径を教えてください。

シース外径の5倍以上で曲げることを推奨します。