補償導線

型番の説明

補償導線の選定について

補償導線の最新のJIS規格は、新カラーとなりましたJIS-2012年版が最新です。しかしながら、未だ多くのお客様は旧カラーでありますJIS-1985年版を多く御使用されております。よって、多くのお客様のご要求・ご要望にお応えすべくJIS-1985年版の旧カラーも併記させて頂いております。

補償導線の型式選定に際しましては、旧カラーと新カラーでは被覆色が違います(②の使用区分によって変わってしまいます)ので、十二分に御確認のうえお間違いのなきよう、型式選定並びにご発注をお願い致します。尚、JIS色に関しましては、本規格のJIS自体に強制力が無いため、旧JIS色製品が使用禁止になるわけではなく、引き続いての製造・ご使用自体に法的な問題はなんら発生致しません。

1種類と色

熱電対の種類をご確認のうえ、補償導線の種類を選定してください。必ず接続して使用する熱電対、計器と統一性がなければなりません。多くの場合は、温度測定の温度範囲及び精度によって熱電対の種類が選定され、その結果、補償導線の種類も特定されます。

熱電対の
種類
JIS−1981(参考) JIS−1995(参考) JIS-2012
記号 被覆色 記号 被覆色/色区分2
(JIS-1981色)
被覆色/色区分1
(IEC規格色)
記号 被覆色
(IEC規格色)
K KX
青-赤/白
青-赤/白
KX
青-赤/白
青-赤/白
緑-緑/白
緑-緑/白
KX
緑-緑/白
緑-緑/白
KCA
緑-緑/白
緑-緑/白(規格上のみ存在)
WX
青-赤/白
青-赤/白
KCB
青-赤/白
青-赤/白
緑-緑/白
緑-緑/白
KCA
緑-緑/白
緑-緑/白
VX
青-赤/白
青-赤/白
KCC
青-赤/白
青-赤/白
緑-緑/白
緑-緑/白
KCB
緑-緑/白
緑-緑/白
J JX
黄-赤/白
黄-赤/白
KX
黄-赤/白
黄-赤/白
黒-黒/白
黒-黒/白
KX
黒-黒/白
黒-黒/白
T TX
茶-赤/白
茶-赤/白
KX
茶-赤/白
茶-赤/白
茶-茶/白
茶-茶/白
TX
茶-茶/白
茶-茶/白
E EX
紫-赤/白
紫-赤/白
EX
紫-赤/白
紫-赤/白
青紫-青紫/白
青紫-青紫/白
EX
青紫-青紫/白
青紫-青紫/白
R
S
RX
SX
黒-赤/白
黒-赤/白
RCA/RCB
SCA/SCB
黒-赤/白
黒-赤/白
橙-橙/白
橙-橙/白
RCA/RCB
SCA/SCB
橙-橙/白
橙-橙/白
B BX
灰-赤/白
灰-赤/白
BC
灰-赤/白
灰-赤/白
灰-灰/白
灰-灰/白
BC
灰-灰/白
灰-灰/白
N - NX/NC
ピンク-ピンク/白
ピンク-ピンク/白
NX/NC
ピンク-ピンク/白
ピンク-ピンク/白

2使用区分

測定の精度と配線される環境(特に温度)を考慮して選定してください。③の絶縁材料とも大きな関わりがあります。

使用区分記号 使用区分と精度 使用温度範囲
JIS1981 G 一般用普通級 -20℃~90℃
GS 一般用精密級 -20℃~90℃
H 耐熱用普通級 0℃~150℃
HS 耐熱用精密級 0℃~150℃
JIS2012
JIS-(1995)
1-G 一般用精密級 -20℃~90℃
2-G 一般用普通級 -20℃~90℃
1-H 耐熱用精密級 0℃~150℃
2-H 耐熱用普通級 0℃~150℃
1-S 高耐熱用精密級 -25℃~200℃
2-S 高耐熱用普通級 -25℃~200℃

*使用温度範囲:熱電対と補償導線の接続点の温度

*普通級(=クラス2)、精密級(=クラス1)

3絶縁体/外被の材料

配線する環境に合わせて選定してください。

■ 使用区分が一般用の場合

絶縁体/外被の種類 材質 使用温度範囲(℃)
V ビニル -10~60
HV 耐熱ビニル -10~80
SHV 特殊耐熱ビニル -10~105
TV 耐寒ビニル -20~60
NV 難燃ビニル -10~60
NHV 難燃耐熱ビニル -10~80
NSHV 難燃特殊耐熱ビニル -10~105
E ポリエチレン -60~75
EM ノンハロゲンポリオレフィン -45~75
C 架橋ポリエチレン -60~105

■ 使用区分が耐熱用、高耐熱用の場合

絶縁体/外被の種類 材質 使用温度範囲(℃)
GB ガラス編組 0~200
FEP FEP ふっ素樹脂 -80~200
PFA PFA ふっ素樹脂 -80~260
ETFE ETFE ふっ素樹脂 -80~150

4形状

配線する条件を考慮して選定してください。

F

平形

R

対撚り丸形 ※丸形は全て撚合せとなっております。

5シールド及び外装

補償導線は、微少電圧を扱うことから、電気的シールドには配線方法とともに十分な注意が必要です。

シールド BA

軟銅線編組

柔軟性がある。

主に細物、平型に使用。

BT

スズメッキ軟銅線編組

柔軟性がある。

主に細物、平型に使用。

SA

銅テープ

丸型、多対物に使用。

SL

アルミマイラーテープ(ドレインワイヤー入)

軽量、経済的。

丸型に使用。

外装 OBS

外ステンレス線編組

シールドと外部保護。

6対数

1対(1P)は2芯(2C)のことで、通常、補償導線は+脚と-脚の2芯一組で使用します。

対数 1対 2対 3対 4対 5対 10対
記号 1P 2P 3P 4P 5P 10P

7導体構成

主に使用される導体構成は、下記のとおりです。熱電対温度計において温度に換算される、熱起電力の特性は、導体の太さには影響されません。配線する場所、距離、柔軟性等の機械的特性を考慮して選定してください。

公称断面積 導体構成 主に使用される配線場所と特長
2.3SQ 7/0.65 距離の離れた場所への配線。大型プラント工事。
2.0SQ 7/0.6 7/0.65と同じだが少し価格が安い。
1.3SQ 4/0.65 距離の離れた場所への配線。大型機器内配線。
1.25SQ 7/0.45 4/0.65と同じ。柔軟性が少し有り外径もコンパクト。
1.25SQ 40/0.2 柔軟性が有り、キャブタイヤ仕様として多く使用。
0.75SQ 24/0.2 柔軟性が有り、機器内用として最近多く使用。
0.75SQ 30/0.18 柔軟性が有り、機器内用として最近多く使用。
0.5SQ 7/0.32 機器内用及び短い距離や狭い場所での配線。
0.5SQ 7/0.3 機器内用及び短い距離や狭い場所での配線。
0.5SQ 20/0.18 柔軟性が有り、機器内用として最近多く使用。
0.3SQ 12/0.18 主に機器内用配線の省スペース化に使用。